BOURBON STREET

Step 42   全日本ディキシーランド・ジャズ・フェスティバルの足跡(3) 第30回〜第44回(最終回)

柳澤安信 (ODJC会員)

■ フェスティバルの記録

第30回 平成8年(1996)7月21日  神戸ポートピアホテル

・ニューオリンズ・ノウティーズ(東京)
・キャナル・ストリート・ジャズ・バンド(東京)
・ディキシーランド・オン・マイ・マインド(甲府)
・ニューオリンズ・ラスカルズ(大阪)
・マホガニーホール・ストンパーズ(大阪)
・フラット・ファイブ&原田紀子(大阪)
・ニューオリンズ・レッド・ビーンズ(大阪)
・アルジャース・スペリオーズ(大阪)
・ディキシーランド・ハートウォーマーズ(豊中)
・秋沢一とスイング・エース(宝塚)
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド(神戸)
・ザ・ビッグ・ディッパーズ(神戸)
・春待ちファミリー・バンド(神戸)
・キャッスル・ジャズ・バンド(姫路)
・ディキシー・ブレンド(岡山)
・ハッピーハウス・ジャズ・バンド(福岡)
・ナガサキ・ホットショッツ(長崎)
・スペシャル・ゲスト ワールド・グレイティスト・ジャズ・バンド(米国);Jon Erik Kellso(tp), Randy Sanke(tp), George Masso(tb), Ira Nepus(tb), Ken Peplowski(cl,sax), John Bunch(p), Bob Haggart(b,ldr), Buch Miles(ds), Banu Gibson(vo,bj)
夜の部;
・ニューオリンズ・ラスカルズ
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド
・ワールド・グレイティスト・ジャズ・バンド
 昨年は震災のため開催が見送られた。30回記念は会場が神戸ポートピアホテルに移り、以降6年間続くことになる。「偕楽の間」と「和楽の間」の2会場、同時進行で展開される。夜の部はディナー形式で、食事をしながらの鑑賞である。最大の呼び物はボブ・ハガートがリーダーのワールド・グレイティスト・ジャズ・バンドであったことは間違いない。何とニューオリンズの美人歌手バヌー・ギブソンが加わっているではないか。

ポートピアホテル ワールド・グレイティスト・ジャズ・バンド バヌー・ギブソン

 写真27 ポートピアホテル全景 写真28 ワールド・グレイティスト・ジャズ・バンドのステージ 写真29 バヌー・ギブソン

第31回 平成9年(1997) 7 月20日 神戸ポートピアホテル
・ニューオリンズ・ノウティーズ(東京)
・キャナル・ストリート・ジャズ・バンド(東京)
・ニューオリンズ・ラスカルズ(大阪)
・マホガニーホール・ストンパーズ(大阪)
・ニューオリンズ・レッド・ビーンズ(大阪)
・アルジャース・スペリオーズ(大阪)
・フラット・ファイブ&原田紀子(大阪)
・ディキシーランド・ハートウォーマーズ(豊中)
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド(神戸)
・ザ・ビッグ・ディッパーズ(神戸)
・春待ちファミリー・バンド(神戸)
・キャッスル・ジャズ・バンド(姫路)
・ディキシー・ブレンド(岡山)
・ハッピーハウス・ジャズ・バンド(福岡)
・ナガサキ・ホットショッツ(長崎)
・ビッグマウス・ストンパーズ(鹿児島)
・スペシャル・ゲスト ジャパン・オールスター・キャッツ「エディ・コンドンとボブ・キャッツのジャズを再現」;花岡詠二(cl,ldr)、下間哲(co)、松岡優慈(tb)、後藤裕二(ts)、高浜和英(p)、阿部寛(g,bj)、小林真人(b)、八城那義(d)
夜の部;
・キャッスル・ジャズ・バンド
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド
・ニューオリンズ・ラスカルズ
・ジャパン・オールスター・キャッツ
 昼の部、夜の部の昼夜公演である。鹿児島のビッグマウス・ストンパーズは初出演、ジャパン・オールスター・キャッツは、花岡詠二をリーダーにしたプロの中堅オールスターズで、今後も続くことになる。ジャパン・オールスターに課せられたテーマは、普段はやらないレパートリーに挑戦してみることだという。

第32回 平成10年(1998) 7月20日 神戸ポートピア・ホテル
・ニューオリンズ・ノウティーズ(東京)
・キャナル・ストリート・ジャズ・バンド(東京)
・マホガニーホール・ストンパーズ(大阪)
・ニューオリンズ・レッド・ビーンズ(大阪)
・アルジャース・スペリオーズ(大阪)
・フラット・ファイブ&原田紀子(大阪)
・ニューオリンズ・ラスカルズ(大阪)
・ディキシーランド・ハートウォーマーズ(豊中)
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド(神戸)
・ザ・ビッグ・ディッパーズ(神戸)
・キャッスル・ジャズ・バンド(姫路)
・ディキシー・ブレンド(岡山)
・ハッピーハウス・ジャズ・バンド(福岡)
・ナガサキ・ホットショッツ(長崎)
・ビッグマウス・ストンパーズ(鹿児島)
・スペシャル・ゲスト ジャパン・オールスター・キャッツ「ベニー・グッドマンの13回忌に因んで」;花岡詠二(cl)、下間哲(co)、松岡優慈(tb)、後藤裕二(ts)、徳大寺公忠(ts)、高浜和英(p)、大西美代子(bj)、出口辰治(vib)、小林真人(b)、藤田洋(d)
夜の部;
・キャッスル・ジャズ・バンド
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド
・ニューオリンズ・ラスカルズ
・ジャパン・オールスター・キャッツ
 ジャパン・オールスター・キャッツのステージは、ベニー・グッドマンを偲んで、二つのグループに分かれ、レッド・ニコルズとファイブ・ペニーズの時代、そして40年代の油の乗り切ったスイング・ジャズの演奏を再現した。

第33回 平成11年(1999) 7月17日 神戸ポートピア・ホテル
・ニューオリンズ・ノウティーズ(東京)
・キャナル・ストリート・ジャズ・バンド(東京)
・マホガニーホール・ストンパーズ(大阪)
・ニューオリンズ・レッド・ビーンズ(大阪)
・アルジャース・スペリオーズ(大阪)
・フラット・ファイブ&原田紀子(大阪)
・ニューオリンズ・ラスカルズ(大阪)
・ディキシーランド・ハートウォーマーズ(豊中)
・マグノリア・ナチュラル・フレイバーズ(京都)
・イエロー・ウォッシュボード・ジャズ・ボーイズ(京都)
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド(神戸)
・ザ・ビッグ・ディッパーズ(神戸)
・キャッスル・ジャズ・バンド(姫路)
・ディキシー・ブレンド(岡山)
・ハッピーハウス・ジャズ・バンド(福岡)
・ナガサキ・ホットショッツ(長崎)
・ビッグマウス・ストンパーズ(鹿児島)
・スペシャル・ゲスト ジャパン・オールスター・キャッツ「ライオネス・ハンプトンに捧げる」;花岡詠二(cl)、下間哲(co)、松岡優慈(tb)、徳大寺公忠(ts)、出口辰治(vib)、高浜和英(p)、向里直樹(g)、小林真人(b)、藤田洋(d)
夜の部;
・キャッスル・ジャズ・バンド
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド
・ニューオリンズ・ラスカルズ
・ジャパン・オールスター・キャッツ
 今年は過去最高17バンドの出演、南館の「大輪田の間」を二つに仕切って進行、夜は本館「偕楽の間」でのディナーである。プロのオールスター・キャッツは、出口辰治を中心に、ライオネス・ハンプトンの再現ステージとなった。

第34回 平成12年(2000) 7月16日 神戸ポートピア・ホテル
・ューオリンズ・ノウティーズ(東京)
・ディキシーランド・ハートウォーマーズ(豊中)
・マホガニーホール・ストンパーズ(大阪)
・ニュー・ンズ・レッド・ビーンズ(大阪)
・フラット・ファイブ&原田紀子(大阪)
・ニューオリンズ・ラスカルズ(大阪)
・マグノリア・ナチュラル・フレイバーズ(京都)
・ザ・ファイブ・ナッツ・ドウ(京都)
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド(神戸)
・ザ・ビッグ・ディッパーズ(神戸)
・キャッスル・ジャズ・バンド(姫路)
・ディキシー・ブレンド(岡山)
・ハッピーハウス・ジャズ・バンド(福岡)
・ナガサキ・ホットショッツ(長崎)
・ビッグマウス・ストンパーズ(鹿児島)
・フィール・ジャズ・オーケストラ(大阪)
・スペシャル・ゲスト ジャパン・オールスター・キャッツ「エディ・コンドン・ジャズの再現」;花岡詠二(cl,ss)、池田公信(co)、松岡優慈(tb)、大徳寺公忠(ts)、高浜和英(p)、佐久間和(g)、小林真人(b)、藤田洋(d)
夜の部;
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド
・フィール・ジャズ・オーケストラ
・ジャパン・オールスター・キャッツ
 今年はジョージ・ルイスの生誕100年、ルイ・アームストロングも1900年生れが長年通説だった関係で、二人を意識したステージで盛り上がった。オールスター・キャッツは池田公信を迎え、コンドン・ジャズの再現となった。

ジャパン・オールスター・キャッツ

 写真30 ジャパン・オールスター・キャッツのステージ

第35回 平成13年(2001) 7月20日 神戸ポートピア・ホテル
・ニューオリンズ・ノウティーズ(東京)
・ディキシーランド・ハートウォーマーズ(豊中)
・マホガニーホール・ストンパーズ(大阪)
・ニューオリンズ・レッド・ビーンズ(大阪)
・グロリーランド・ジャズ・バンド(大阪)
・ニューオリンズ・ラスカルズ(大阪)
・ザ・ビッグ・ディッパーズ(神戸)
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド(神戸)
・マグノリア・ナチュラル・フレイバーズ(京都)
・オールド・サザン・ジャグ・ブロワーズ(大津)
・キャッスル・ジャズ・バンド(姫路)
・岡山ディキシー・ブレンド(倉敷)
・ハッピーハウス・ジャズ・バンド(福岡)
・ナガサキ・ホットショッツ(長崎)
・ビッグマウス・ストンパーズ(鹿児島)
・スペシャル・ゲスト;ザ・ファイアワークス・ジャズ・バンド(オーストラリア、メルボルン)
・ジャパン・オールスター・キャッツ「ビックス・バイダーベックとレッド・ニコルズのジャズ」;花岡詠二(cl)、池田公信(co)、松岡優慈(tb)、鈴木直樹(ts)、出口辰治(vib)、高浜和英(p)、大西教文(g)、魚谷のぶまさ(b)、藤田洋(d)
夜の部;
・岡山ディキシー・ブレンド
・ジャパン・オールスター・キャッツ
・ザ・ファイアワークス・ジャズ・バンド
 オーストラリアからファイアワークス・ジャズ・バンドという7人編成のディキシー・バンドが出演した。それに対抗するオールスター・キャッツは、ビックス・バイダーベックとレッド・ニコルズのジャズ再現がテーマとなった。今回がポートピア・ホテルでの最後になった。

第36回 平成14年(2002) 7月21日 舞子ビラ神戸
・ニューオリンズ・ノウティーズ(東京)
・オールド・サザン・ジャグ・ブロワーズ(滋賀)
・マグノリア・ナチュラル・フレイバーズ(京都)
・マホガニーホール・ストンパーズ(大阪)
・ディキシー・プリンセス(大阪)
・ニューオリンズ・グローリーランド・ジャズ・バンド(大阪)
・ニューオリンズ・レッド・ビーンズ(大阪)
・ニューオリンズ・ラスカルズ(大阪)
・ヨー・キムラ・トリオ(芦屋)
・ディキシーランド・ハートウォーマーズ(神戸)
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド(神戸)
・ザ・ビッグ・ディッパーズ(神戸)
・キャッスル・ジャズ・バンド(姫路)
・ディキシー・ブレンド(岡山)
・ハッピーハウス・ジャズ・バンド(福岡)
・ナガサキ・ホットショッツ(長崎)
・スペシャル・ゲスト ジャパン・オールスター・キャッツ;花岡詠二(cl)、池田公信(co)、松岡優慈(tb)、鈴木直樹(ts)、出口辰治(vib)、 大橋高志(p)、大西教文(g)、水田欽博(b)、藤田洋(d)、キャンディ浅田(vo)
夜の部;
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド
・ニューオリンズ・ラスカルズ
・ジャパン・オールスター・キャッツ
 会場がシーサイドホテル舞子ビラ神戸に変わった。名勝「舞子の松」の丘の上に聳えるリゾートホテルである。ロビーから庭園に出れば、そこに広がる瀬戸内の紺碧の海と、雄大な明石海峡大橋が一望できる素晴らしいロケーションである。昼の部は3階の「舞子の間」を二つに仕切り、(エコノミーホール)と(リンカーン・ガーデン)で同時進行、夜の部は「舞子の間」でサマー・ジャズ・ディナー・パーティとなる。庭園ではオープニング・パレードが行われ、海岸寄りの教会では、ニューオリンズ・ラスカルズが讃美歌を演奏する。良い環境で聴くジャズは格別、ここでは5年間続くことになる。
 木村陽一トリオ、オールド・サザン・ジャグ・ブロワーズが初お目見えだ。

舞子ビラ 明石海峡大橋 オールド・サザン・ジャグ・ブロワーズ

 写真31 舞子ビラ神戸全景 写真32 庭園から見た教会と明石海峡大橋 写真33 オールド・サザン・ジャグ・ブロワーズのステージ

第37回 平成15年(2003) 7月27日 舞子ビラ神戸
・ニューオリンズ・ノウティーズ(東京)
・野良青年団(東京)
・マグノリア・ナチュラル・フレイバーズ(京都)
・マホガニーホール・ストンパーズ(大阪)
・ディキシー・プリンセス(大阪)
・ニューオリンズ・グローリーランド・ジャズ・バンド(大阪)
・ニューオリンズ・レッド・ビーンズ(大阪)
・ニューオリンズ・ラスカルズ(大阪)
・ヨー・キムラ・トリオ(芦屋)
・ディキシーランド・ハートウォーマーズ(神戸)
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド(神戸)
・ザ・ビッグ・ディッパーズ(神戸)
・キャッスル・ジャズ・バンド(姫路)
・ディキシー・ブレンド(岡山)
・スペシャル・ゲスト ジャパン・オールスター・キャッツ;花岡詠二(cl)、池田公信(co)、松岡優慈(tb)、鈴木直樹(ts)、出口辰治(vib)、山本琢(p)、大西教文(g)、小林真人(b)、藤田洋(d)、キャンディ浅田(vo)
夜の部;
・キャッスル・ジャズ・バンド
・ニューオリンズ・ラスカルズ
・ジャパン・オールスター・キャッツ
【フェスティバル・レポート】
 久しぶりに全日本ディキシーランド・ジャズ・フェスティバルに参加した。今年は37回を迎え、会場も舞子のシーサイドホテル「舞子ビラ神戸」に移っていた。駅からホテルまで歩いてみたが、紺碧の瀬戸内海と雄大な明石海峡大橋が望め、ホテルの庭園がこれまた素晴らしく、武庫川学院甲子園会館も忘れがたいが、それにも勝る上品なくつろぎを与えてくれる絶好の環境だった。
 ステージはホテル3階の「リンカーンガーデン」(なんとキング・オリヴァーがシカゴで大成功を収めたクラブ名ではないか!)と「エコノミーホール」の2箇所、出演バンドは全16楽団、40分のステージに各々8楽団が同時進行形式で情熱あふれる演奏を披露した。
 出演バンドの傾向は、トラッド・ジャズの中でもニューオリンズ・スタイルを信奉するバンドが多いのは例年通りと思うが、その中で異色の精彩を放ったのがディキシーランド・ハートウォーマーズのステージだった。今年はビックス・バイダーペック生誕100年の記念すべき年で、コルネットの平生舜一さんはビックス・ファンとしても知られ、昔からビックスゆかりの曲を再演していることは承知していたが、まさか全曲ビックスのステージを構成するとは、思いもよらない感激だった。
 今回のステージは「スモール・グループのビックス」と題し、ビックスがフランキー・トラムバウアー楽団などの小編成で録音した有名曲、「Singin’ The Blues」、「Since My Best Gal Turne Me Down」、「Jazz Me Blues」、「Susie」、「Davenport Blues」、「機m Coming Virginia」の6曲と、最後にジーン・ゴールドケット楽団の名演「My Pretty Girl」の全7曲が演奏された。編曲を平生舜一さんが担当し、演奏はビックス・バンドの特徴が良く出た素晴らしい内容だった。「Jazz Me Blues」では、平生、樽谷の両氏が1924年のウォルヴェリンズ時代のビックスのソロと、27年のトラムバウアー時代のソロを見事に比較して見せた。ウォルヴェリンズ楽団の「Susie」は、日本のバンドの演奏は今までに聴いたことがなく、かつて演奏されたことがあったのだろうか。ゴールドケット楽団の「My Pretty Girl」もレパートリーにする楽団は全くない、ビックスにまつわる逸話を盛り込んだ平生さんの司会もさすがである。会場での最前列で聴きながら、こんなサウンドは日本ではなかなか聴けないなと思うと、涙がでて仕方なかった。
 平生さんは「我々のバンドは、年寄りばかりで華々しいところが無いので、素人や表面的なフアンにはうけません。地味で盛り上がりが有りませんので…」と謙遜しておられたが、これからもニューオリンズ・リバイヴァル以前のジャズ・スタイル、「1920年代のホット・ジャズ」の啓蒙活動を是非続けてほしいと願っている。
 今回のフェスティバル参加は、関西を中心にトラッド・ジャズの啓蒙活動をされている情熱あるフアンの皆様を、ODJC事務局の口羽さんに紹介していただき、関西との交流が更に深まる有意義な旅だった。
 夕暮れに、瀬戸内海に面した庭園内の教会で聴いたニューオリンズ・ラスカルズの賛美歌も忘れられない。
      (柳沢安信 Hot Jazz Line 2003年9月20日号より)

入場券 ハートウォーマーズ

 写真34 全日本ディキシーランド・ジャズ・フェスティバル入場券 写真35 ディキシーランド・ハートウォーマーズのステージ

第38回 平成16年(2004) 8月1日 舞子ビラ神戸
・花岡詠二とグッドマン・ボーイズ(東京)
・ディキシー・キャッスル(東京)
・ハイタム・ローラーズ(東京)
・野良青年団(東京)
・ニューオリンズ・ノウティーズ(東京)
・マグノリア・ナチュラル・フレイバーズ(京都)
・マホガニーホール・ストンパーズ(大阪)
・ディキシー・プリンセス(京都)
・ニューオリンズ・グローリーランド・ジャズ・バンド(大阪)
・ニューオリンズ・レッド・ビーンズ(大阪)
・ニューオリンズ・ラスカルズ(大阪)
・ヨー・キムラ・トリオ(芦屋)
・ディキシーランド・ハートウォーマーズ(神戸)
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド(神戸)
・キャッスル・ジャズ・バンド(姫路)
・ディキシー・ブレンド(岡山)
・スペシャル・ゲスト ジャパン・オールスター・キャッツ;花岡詠二(cl)、及川義弘(tb)、池田公信(co)、山本琢(p)、青木研(bj)、井桁賢一(tu)、出口辰治(vib)、藤田洋(d)、キャンディ浅田(vo)
夜の部;
・ディキシー・キャッスル
・ニューオリンズ・ラスカルズ
・ジャパン・オールスター・キャッツ
 東京のハイタム・ローラーズは新顔、野良青年団は昨年に続いての出演である。ディキシー・キャッスルのバンジョー奏者青木研も登場してきた。
 このフェスティバル前5月28日、ハートウォーマーズの平生舜一さんが敗血症で亡くなれた。73歳だった。

第39回 平成17年(2005) 7月24日 舞子ビラ神戸
・花岡詠二とグッドマン・ボーイズ(東京)
・ディキシー・キャッスル(東京)
・ハイタム・ローラーズ(東京)
・野良青年団(東京)
・ニューオリンズ・ノウティーズ(東京)
・マグノリア・ナチュラル・フレイバーズ(京都)
・マホガニーホール・ストンパーズ(大阪)
・ディキシー・プリンセス(京都)
・ニューオリンズ・グローリーランド・ジャズ・バンド(大阪)
・ニューオリンズ・レッド・ビーンズ(大阪)
・ニューオリンズ・ラスカルズ(大阪)
・ヨー・キムラ・トリオ(芦屋)
・ディキシーランド・ハートウォーマーズ(神戸)
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド(神戸)
・キャッスル・ジャズ・バンド(姫路)
・ディキシー・ブレンド(岡山)
・スペシャル・ゲスト ジャパン・オールスター・キャッツ;花岡詠二(cl)、及川義弘(tb)、池田公信(co)、山本琢(p)、青木研(bj)、井桁賢一(tu)、出口辰治(vib)、藤田洋(d)、辛島すみ子(vo)
夜の部;
・キャッスル・ジャズ・バンド
・ディキシー・キャッスル
・ジャパン・オールスター・キャッツ

第40回 平成18年(2006) 7月30日 舞子ビラ神戸
・花岡詠二とグッドマン・ボーイズ(東京)
・ディキシー・キャッスル(東京)
・ハイタム・ローラーズ(東京)
・後藤雅広デュオ+青木研
・オマグノリア・ナチュラル・フレイバーズ(京都)
・ニューオリンズ・グローリーランド・ジャズ・バンド(寝屋川)
・マホガニーホール・ストンパーズ(大阪)
・ニューオリンズ・レッド・ビーンズ(大阪)
・ニューオリンズ・ラスカルズ(大阪)
・ヨー・キムラ・トリオ(芦屋)
・ディキシーランド・ハートウォーマーズ(神戸)
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド(神戸)
・キャッスル・ジャズ・バンド(姫路)
・ディキシー・ブレンド(岡山)
・スペシャル・ゲスト ジャパン・オールスター・キャッツ;花岡詠二(cl)、及川義弘(tb)、池田公信(co)、山本琢(p)、青木研(bj)、井桁賢一(tu)、藤田洋(d)、後藤雅弘(cl)、後藤千香(p)、辛島すみ子(vo)
夜の部;
・キャッスル・ジャズ・バンド
・ディキシー・キャッスル+後藤雅広・千香
・ジャパン・オールスター・キャッツ
 ひたすらトラッド・ジャズで40回を迎えた。今回が舞子ビラ神戸での最後になった。東京から後藤雅弘(cl)、後藤千香(p)の二人が初参加、「夜の部」のサマー・ジャズ・ディナーも楽し。

東西バンド合戦 河合良一と後藤雅広

 写真36 東西バンド合戦のステージ(東はハイタム・ローラーズ/西はディキシー・ブレンド) 写真37 教会での河合良一と後藤雅広

第41回 平成19年(2007)7月22日 兵庫県公館(迎賓館)・神戸栄光教会
・花岡詠二とグッドマン・ボーイズ(東京)
・ディキシー・キャッスル(東京)
・マグノリア・ナチュラル・フレイバーズ(京都)
・ニューオリンズ・グローリーランド・ジャズ・バンド(大阪)
・マホガニーホール・ストンパーズ(大阪)
・ニューオリンズ・レッド・ビーンズ(vo;トントン)(大阪)
・ニューオリンズ・ラスカルズ(大阪)
・ディキシーランド・ハートウォーマーズ(神戸)
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド(神戸)
・キャッスル・ジャズ・バンド(姫路)
・ディキシー・ブレンド(岡山)
・スペシャル・ゲスト ジャパン・オールスター・キャッツ;花岡詠二(cl)、及川義弘(tb)、池田公信(co)、山本琢(p)、青木研(bj)、井桁賢一(tu)、藤田洋(d)
 今回から神戸の街の真ん中元町県庁街にある兵庫県の公館になった。ここはフランス・ルネサンス様式で、明治の代表的建築家山口半六の設計によるもので、歴史の重みと優雅さが感じられる。明治の面影が感じられる1階大会議室が演奏会場である。北側に聳える神戸栄光教会では、ニューオリンズ・ラスカルズが讃美歌を演奏した。公館内での飲食は出来ず、夜の部のジャズ・ディナーはなくなった。全体的にホテルでの開催より質素になったと感じられる。神戸栄光教会では、ニューオリンズ・ラスカルズが讃美歌を演奏した。

兵庫県公館と神戸栄光教会 オールスター・キャッツ

 写真38 兵庫県公館と神戸栄光教会全景 写真39 ジャパン・オールスター・キャッツのステージ

第42回 平成20年(2008)7月27日 兵庫県公館(迎賓館)・神戸栄光教会
・ディキシー・プリンセス(京都)
・ニューオリンズ・グローリーランド・ジャズ・バンド(京都)
・マホガニーホール・ストンパーズ(大阪)
・ニューオリンズ・レッド・ビーンズ(大阪)
・ニューオリンズ・ラスカルズ(大阪)
・ディキシーランド・ハートウォーマーズ(神戸)
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド(神戸)
・キャッスル・ジャズ・バンド(姫路)
・ディキシー・ブレンド(岡山)
・ODJCマーチング・ジャズバンド(大阪)
 全国からのアマチュア・バンド出演がなく、花岡詠二率いるジャパン・オールスター・キャッツもなくなった。関西地区アマチュア・グループのみの祭典になり、ずいぶん小規模になったという印象である。神戸栄光教会での夕べの祈りは、ラスカルズの他に、ニューオリンズ・レッド・ビーンズも出演した。

第43回 平成21年(2009)7月26日レストラン・ソネ、インドクラブ、神戸バプテスト教会
・ディキシー・プリンセス(京都)
・ニューオリンズ・グローリーランド・ジャズ・バンド(大阪)
・マホガニーホール・ストンパーズ(大阪)
・ニューオリンズ・レッド・ビーンズ(大阪)
・ニューオリンズ・ラスカルズ(大阪)
・神戸マス・クアィア(神戸)
・ディキシーランド・ハートウォーマーズ(神戸)
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド(神戸)
・サン・タウン・バウンス(西宮)
・キャッスル・ジャズ・バンド(姫路)
・ディキシー・ブレンド(岡山)
・スペシャル・ゲスト;花岡詠二(cl)、青木研(bj)、藤田洋(d)、池田公信(co)、藤森省二(p)、トントン(vo)
 プロデューサーのごあいさつ
 1966年6月に始まった、このジャズ・フェスティバルは、国内では最も古い暖簾のものになりました。振り返れば、芦屋の遊園地でピクニック気分で始まったものでしたが、以来ホテルに会場を移したりしましたが、これは聴く側の皆さんと演奏する側に気分を転換する狙いがあったからです。ところが、この2年というのは、兵庫県の迎賓館に移して、会場としては好評を得ましたが、館内では飲食が出来ない規定がありましたので、「やっぱりジャズは…、冷たいものがなくては…」という声が多く出ましたので、今年から《神戸ジャズ・ストリート》の手慣れた3会場【レストラン・ソネ、インドクラブ、神戸バプテスト教会】で開催することにしました。
 真夏の午後ですが、会場を移動するにしても、徒歩3分とかかりませんし、教会以外は冷た〜いビールが待っていますから心底ジャズが楽しめること請け合います。
 ところで、このフェスティバルとか秋の《神戸ジャズ・ストリート》でもそうですが、なにか神戸らしいものを打ち出してみたいと…。出演者に、また聴く側のフアンの皆さんにも啓蒙してきましたのは、1930年代に米国のハーレムで人種を超えて盛んに行なわれていました〈カッティンク・セッション〉です。つまりジャズメンたちが、戦国の昔の武士の一騎討ちに似た雰囲気をジャズの上でやってみるのも面白かろうと…。聴く側もハーレム流にステージのジャズメンに向かって叫ぶのです。Show out!(いいところを見せろよ!の意味)。これで会場は盛り上がります。どうぞ今年もフアンの皆様は、お仲間をお誘い合わせて、ぜひお越しください。
              (末贋光夫)

会場

 写真40 会場までのアクセス

第44回(最終回) 平成22年(2010)7月25日レストラン・ソネ、インドクラブ、神戸バプテスト教会
・ディキシー・プリンセス(京都)
・マホガニーホール・ストンパーズ(大阪)
・ニューオリンズ・レッド・ビーンズ(大阪)
・ニューオリンズ・ラスカルズ(大阪)
・神戸マス・クアィア(神戸)
・ディキシーランド・ハートウォーマーズ(神戸)
・ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド(神戸)
・キャッスル・ジャズ・バンド(姫路)
・秋沢一とスイング・エース(宝塚)
・ディキシー・ブレンド(岡山)
・スペシャル・ゲスト;花岡詠二(cl)、青木研(bj)、トントン(vo)、後藤雅弘(飛び入り)

グループ

マホガニー マス・クアィア 花岡 トントン

 写真41 出演グループとタイム・スケジュール 写真42〜45 四つのステージ
 この回が全日本ディキシーランド・ジャズ・フェスティバルの最終回となった。45年の活動だった。秋の神戸ジャズ・ストリートがプロのミュージシャンや海外のプレイヤーを招聘し、規模を拡大していったのに比べ、あくまでもアマチュアのバンドを中心に進めてきたのが何よりも良かった。プロデューサーの末廣光夫さんは2年後の2012年9月に亡くなった。トラッド・ジャズへの純粋な愛情が、この「全日本」に込められていたといってよい。

 長〜い45年間でしたが、あっという間でした。
 思いでの数々
●エピソード その1
 1995年度の開催は、阪神大震災のため予定していた会場が倒壊して開催を見送りましたが、春3月から秋にかけては毎月一回、被害を被ったライブ・ハウスで、ジャズメンの救済コンサートをやったものです。
 ところで、そもそもこのフェスティバルを始めるきっかけはなんであったかということを、よく聞かれます。それは1966年の3月でしたか、ニューオリンズ・ラスカルズがニューオリンズをはじめ全米をジャズ行脚することになって、「日本でも、こういうジャズ・フェスティバルをやっていますよ」と、いわばハッタリ的な動機からはじまったものなんです。そう第1回から第5回までは芦屋の奥池遊園地で、芦有開発会社がスポンサーになってくれました。

グループ

 写真46 芦屋奥池遊園地のニューオリンズ・ラスカルズ
●エピソード その2
 このフェスティバルは、随分と開催場所が変わりました。締め出されたり、嫌われたわけではなく、ロケーションを変えると演奏する方も聴く方も気分が変わるだろうと…。中でも旧甲子園ホテルは、手頃なホールの広さと美したが、このときは〈ニューオリンズ・プリザーベーション・オールスターズ〉をゲストバンドに招いたのは、意図があったからです。それは神戸が日本のジャズの発祥地であることを広言しても信じてもらえず、そこで策として、ニューオリンズの市長から「ジャズ誕生50年」の祝いのメッセージをキッド・トーマスの手から神戸市長に手渡して、以来、神戸が日本のジャズ発祥の地としての公民権を得たのです。

グループ

 写真47 ジャズ誕生50周年記念スタンプ
●エピソード その3
 神戸はシアトルと。大阪はサンフランシスコと姉妹都市の関係で結ばれていますが、ではニューオリンズと結ばれています日本の街は?これは島根県の松江市です。ラフカディオ・ハーンとの関係があって1994年3月に結ばれたのです。その松江市の市長だったのは、元神戸市の助役だった宮岡寿雄さんでした。その縁があって、その提携の式典にニューオリンズバンドの派遣を依頼されて<ニューオリンズ・レッドピーンズ>が駆り出されたのです。そのときステージ前に、このバンドが5年前にニューオリンズの名誉市民を得たときの証書を飾ったところ、それを見たのが当夜の主賓客のニューオリンズ市長のシドニー・バーセレミが「お〜俺のサインが…」と目を丸くしてリーダーの池本徳和と固い握手を…。その夜の演奏は最高でした!

グループ

 写真48 ニューオリンズ・松江姉妹都市提携式典

●エピソード その4

 ニューオリンズ・ラスカルズの全米ジャズ行脚でニューヨークを訪問したときに、現地の在留邦人の2人に<コンドン・クテブやハーレムを案内された。ひとりは神戸で旧知の間柄だった佐井さんと、もうひとりは放送局に縁があった足達さんという方だったが、それから2年後に大阪の万国博覧会の事務局でバッタリお会いして「実は、今度の万博でニューオリンズのマーチング・ジャズバンドの演奏を会場で出来ないものか…」と相談したら、さっそく上層部に計ってくれて、正式に、しかも1970年3月15日の開催日から何度か園内をパレードしたことも忘れられない。これは後日になって知ったことだが、そのマーチング・バンドの演奏をしている写真が米語の(タイム)の表紙に掲載されたとか。実物を手にしていないが何よりの吉報だった。

グループ

 

写真49 大阪万博の国際広場でのジャズ・パレード

 

(Hot Jazz Line No.57 2010年6月15日号より)

◎本レポートの現場写真の多くは、末廣光夫氏発行の「Hot Jazz Line」(創刊号1991・9・15〜No.63 2013・2・11)より採用しました。

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