BOURBON STREET

Step 29   北野蛇行記(第26回神戸ジャズストリート2日目)

高井洋治 (ODJC会員)

予定より早く到着、実のところはパレードに間に合わなかっただけ。時間つぶしに徘徊していると、Fさんと遭遇。

Fさん「思ったより元気やないか。さすがに強いな」。僕「いや、年のせいで,二日酔いがまだ始まっとらんだけでっせ」。

しばらくして、パレードからIさんが戻ってきた。本日のコースは、3人ともほとんど同じことを知る。「デイバイデイ」の開場前、ボランティアの方々が路上整理等。

デイバイデイ表

場内も準備の最中だろう。

マホガニーホール・ストンパーズ

助っ人がピアノ尾崎喜康さん(ラスカルズ)、ドラムス梁瀬文博さん(レッドビーンズ)。

このバンド、今日はこのステージだけだそうで、もったいない気がする。しかし、「ここ一番」にかける意気込みはものすごく、冒頭の「インディアン・サグア」から終わりの「バーボンストリート・パレード」まで一曲一曲ゆるがせにしない集中力。Iさん、Fさんも絶賛されていた。

クラリネット小林昇治さんの心のこもったプレイに感嘆。

ブレイク

ここで昼食、向かいの店に入る。食事の合間にと言うより、「ジャズ談義の合間に食事」。やはりご両人詳しい。話に身が入り過ぎて時間をオーバー。

ホテル北野プラザ六甲荘

北野坂を上って異人館通りの一つ下の道を東に。突き当たりのカーブをさらに上る。年長のご両人は「急な」勾配をサクサクと歩く、遅れ気味の僕は「数年前は楽勝だったけどな。ジャズストリートに通えるのも、あと何年やら」と心細い限り。夕べの酒が一気に戻ってきたような。

六甲「荘」という名前から木造のペンションをイメージしていたが、一般的なホテル。写真を撮っていないので、同ホテルのブログをご覧下さい。

ニューオリンズ・ラスカルズ

開演に間に合ったものの、立ち見となる。ピアノのマイクが上方のスピーカに繋がっているのか、音が天井から降ってくる感じで、慌てて前方に移動する。

河合良一さんの「バーガンディ・ストリート・ブルース」。前日のRobert Veenさんに引続きの「バーガンディ」だが、こちらはもちろんジョージ・ルイス直系中の直系。

この後、カナダからのゲスト、トランペットのBria Skonbergさんが、志賀さんと交替。23才のこの人がどの方向に向かうのか、僕には予見不可能だが、音は安定しているように感じた。「明るい表通りで」などヴォーカルを数曲披露してくれたが、この若さで独特の味があり、有望かも知れない。ラスカルズを心から尊敬している様子が、ステージから伝わって、好感が持てた。

プログラムが終わって、帰り際比較的若いお客さんの会話が聞こえてきた。

「面白かったね」「うん、面白かった」

「戻り」は異人館通りを少し東に。

神戸バプテスト教会

神戸マスクワイアのゴスペルが始まっていた。人をかき分けて入る気力なし。入口も人の壁で、外からは伴奏つきか、無伴奏(ア・カペラ)か辛うじて判別できる程度。こんなとき、昔は窓から漏れる音に耳を傾けて、これが何ともいい感じだったが、最近は閉鎖されている。終わって出てくる人の多いこと!ゴスペル人気の定着を実感。

早稲田大学リリーズ・オブ・ザ・ヴァリー

バンジョーのヴォーカル(「セントルイス・ブルース」だったか?可愛らしい唱いぶり)のあと、亀井小弥加さんが昨日に引続き、アルバート式クラリネットでプレイ。

これが、きのうを上回る出来映え。こうやってボエーム式と持ち替えで吹いてくれると、僕のような素人でも音色の違いがよく分かる。ピアノとの二重奏で、ジョージ・ルイスの名演で知られる「ゴッド・ウイル・テイク・ケア・オブ・ユー」。

「次」の関係で、ここで席を立つ。今日初めての単独行動で、北野坂を下りて再び「デイバイデイ」へ急ぐ。

デイバイデイ入口
デイバイデイ入口、ビルの地下にある

ニューオリンズ・レッド・ビーンズ森朋子(TonTon)

メンバーの勤務等の関係で、レギュラー編成で聴けるのはこういう機会しかない。遅刻したものの、何とか席はあった。「ビューグル・ボーイ・マーチ」が始まっていた。

一息ついて気がついたのだが、フロント(トランペット、トロンボーン、クラリネット)の3人が肩を寄せるように立っている。マホガニーホール・ストンパーズでは、ステージ一杯にほぼ等間隔に離れての配置だった。この対比はなかなか興味深い。

ゲストのピアノは東京から遠藤純さん。「カチッ」とした感じの、よく通る音。リズム感も抜群。

ヴォーカルのTonTonさんは、「ダークタウン・ストラッターズ・ボール」など3曲。ニューオリンズ系のバンドをバックにしても、ピアノトリオ伴奏の時と同様、崩さぬ歌い方。ただ、ここでは迫力のある声でバンドによくマッチしている。

彼女の登場あたりから、バンドのサウンドが変ってくる。切れのいいリズムと推進力。いかにもニューオリンズらしい重厚さに慣れていたので、意外性を楽しませてもらった。最後は「ウエアリ・ブルース」。今年のジャズストリートの「締め」。

再び皆さんと合流。Kさん夫妻も一緒に三宮の喫茶店へ。ちょっと感想など話して解散。帰りの電車はKさん夫妻と一緒。ジョージ・ルイス、ニューオリンズのことなど。僕は途中で下車して失礼する。

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