BOURBON STREET

Step 28   北野往来記(第26回神戸ジャズストリート初日)

高井洋治 (ODJC会員)

パレードは神戸市消防音楽隊が先導。お、ここのスネアドラムめちゃ上手いよ!しかもちゃんとニューオリンズの味が出てる。「本隊」は「ホンキートンク・タウン」などを演奏しながら行進。なぜか荷物持ちでついて行くことになったので、細かい様子は分からない。「パレードデビュー」の僕には歩道の人の多さが印象的でした。終了後まっすぐ西へ。

北野工房のまち

トアロードの角にある。写真は外観(会場内はどこも撮影禁止です)。

工房のまち01

ここは僕初めてなのだが、どう見ても学校跡ですね。1階はとっ端のビール以外はお菓子屋さんばかり? 時間があったので、コーヒーショップに入る。紙コップだが、なかなかおいしい。マッタリしたところで3階の会場へ。

Aces of Syncopation(エイセス・オブ・シンコペイション、オランダ)

神戸ではすっかりお馴染みだが、僕は初めて。同じくシドニー・ベシェ - Sidney Bechetをレパートリーとすると言っても、野良青年団とはニュアンスがかなり違うのが面白い。

Lasticという曲ではソプラノサックスのRobert Veenさんが、手のひらサイズの木魚のようなものに持ち替えてカリビア風のリズムを叩く。さすがジャズストリートのお客さん、手拍子もばっちり。終わってRobertさんが手をたたく。"We applause you." 「みなさんに拍手を送ります」ですって。

最後の曲はクラリネットで、なんと「バーガンディ・ストリート・ブルース」。変にジョージ・ルイスを意識した吹き方でないのが、すがすがしかった。

休憩の合間に1階のパン屋さんで昼食用に手作りの「くるみメロンパン」をゲット。歯ごたえカリカリ、さっぱりした味わい(ちゃんと外で食べましたからね)。

ディキシーランド・ハートウオーマーズ

「ビックス (Bix Beiderbecke) のジャズを再現します」と銘打ったプログラム。昨年ロイヤル・フラッシュ・ジャズ・バンド (RFJB - メンバーの大半が重なっている)で同様のプログラムを聴いているので、興味津々。昨年の「RFJB版」のコルネットはゲストの池田公信さんだったが、今回はレギュラーの樽谷四郎さんと池田さんのラッパ2本。

故平生舜一さんがリーダーだった頃のハートウオーマーズは、全員譜面を前にして演奏していた。今回もそのスタイルを踏襲、平生さんが書いたものをそのまま使っているとのこと。

それにしても、ほとんど同じメンバーなのにアレンジでこうも変るとはね。当たり前と言われりゃそれまでだが、実際に聴くと想像以上ですよ。例えば前回大森重志さん(バンジョー)はビング・クロスビーばりの甘い 「フロム・マンデイ・オン」を聴かせてくれたが、今年はややアップテンポのバンドにのって軽妙な唱い口、まるっきり別の曲のよう。いやぁ堪能させてもらいました。

工房ウオッチング

終演後2階をのぞいてみる。工芸品のの店がメインらしいが、思いの外の人出で、冷やかす気力も失せて看板だけ見る。目についたのは「ろうそく」屋。小川未明の童話を思い出す。あと、「美人ぬか」に好奇心をそそられる。ま、僕に使い道はないし、あっても「手遅れ」ですがね。

せっかくだからと「校庭」に出てみる。バスが10台前後駐まっている。ここは観光スポットだったのか? お坊さんが、たくさん居てはった。

工房のまち02工房のまち03

時間なので、そろそろ撤退。もと来た道(パールロード?)を東にとって返す。北野坂を上り神戸バプテスト教会へ、そのまま最後まで居座り。

バプテスト教会01

ニューオリンズ・ジャズハウンズ(東京)

ジャズストリートは初登場、本来は7人編成。会場のあちこちになじみの顔。

席は意外にゆったりしていて、遠来のバンドに少々申訳ない気がするが、その分音響的には最高。トロンボーンが本日間に合わなかったことと相まって、室内楽的な雰囲気。

加藤晋一御大は朗々とホールに音を通すような吹き方。居合わせたFさんは大好きな加藤節が聴けず、ちょっと残念そうだったが、御大は響きを楽しんでいたみたい。 バンジョーの守屋雄策さんもここの響きに憑かれたように弾きまくり、盛んな拍手を受けいた。

讃美歌、ゴスペルと教会コンサートらしい「プログラム」だったが、MCの東海林幹雄さん(ピアノ)が、打合せなしで曲名を出し、メンバーが楽々とそれをこなしていくのには恐れ入った。締めくくりは軽快な「ワシントン・アンド・リー・スィング」 。

早稲田大学リリーズ・オブ・ザ・ヴァリー

このバンドもジャズストリートは初めて。もっとも、ピアノとバンジョーを除く5人は、5月のビッグリバージャズフェスティバルに同大学「ニューオルリンズ・ジャズ・クラブ」として出演。その実力を大いにアピールした。

今回はさらにアンサンブルが充実。その上ピアノとドラム(斉藤綾子さん)が個性的で、バンドのカラーも出ている。

クラリネットの亀井小弥加さんが、1曲古いアルバート式楽器の演奏を披露。この人の「バーガンディ」は、ビッグリバーでちょっとしたセンセーションだったが、このときはボエーム式。アルバートは初めて聴いたが素晴らしい音色、ピアノとドラムをバックに「アイ・ウォンダ・フーズ・キシング・ハー・ナウ」。

プログラムの最後は、「オリジナル・ディキシーランド・ワン・ステップ」。濁りのない響きでホールを鳴らし切ったパワーと腕前に脱帽!

ニューオリンズ・ラスカルズ

志賀奎太郎さん(トランペット)の久々の復帰で、全員がそろう。音響、ホールの雰囲気も含めて、色々な点で最良のコンサートとなった。

そろいのTシャツで登場。ポケットにNEW ORLEANS RASCALS とプリント、右にAmerican Musicのジョージ・ルイスのLPジャケットをあしらったもの。ピアノの尾崎喜康さんにモデルになっていただく(撮影場所は別です)。

Tシャツ01

「プレイリー・ムーン」で始まるプログラムは、特に「教会」を意識したものではないけれど、なんと言うか、intimateと形容するほかのない演奏で、この会場にふさわしい音楽。

途中で、ピアノは尾崎さんからゲストの Chris Hopkins さん(ドイツ)に交替。まずは、木村陽一さん(ドラム)のヴォーカルで「ワイニング・ボーイ・ブルース」から。尾崎さんとは異なる奏法のようだが、この人の音楽そのものの良さか、すんなりとバンドに融け込んでいる。「セント・ジェイムス・インファーマリ」ではアルトサックスを吹く、と言うかこちらが「本業」。川合純一さん(バンジョー)の唱う「ママ・ドント・アロウ」で第1日目は終了。

放課後

顔なじみの皆さんと夕食、地元のFさんの案内で出石そばの店に入る。遠方から来られた方もいて、話は尽きない。今日の感想、ジョージ・ルイス・・皆さん博識、飲食は措いといてメモすべきだった。ところで、そば食べた人いてたかな?

しゃべり足らず2次会に。ミュージシャンも大勢いた。昼間水分を押さえていたせいか、このあたりから、やたらにビールを注文。同行の方にしっかりカウントされてましたが、数の公表はご勘弁。

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