BOURBON STREET

Step 22    新潟ジャズ通信

                    大庭和雄(新潟フレンドリージャズクラブ事務局長)

 トントン新潟でも大活躍

 もはや大阪だけではなくトラッド系のジャズファンであれば知る人ぞ知るボーカルのトントン、新潟における活躍ぶりをお伝えいたします。
 先ず定期的ライブとしては、新潟市内のパルティアと言うライブハウスで月2回、第三水曜日と、翌木曜日に歌っています。第三水曜日は、モダン系ライブでピアノ、ベース、ドラムをバックにスタンダード曲を中心にビリーホリデイからエラ、フィッツジェラルドまで感情を込めて、時にはしっとりと、時にはブルージーに歌い上げていたと思ったら、翌日にはご主人がリーダーのニューオーリンズ系リバーサイドジャズバンドで、軽快なノリで、2ビートのデキシーのオリジナル曲からブルース、ゴスペルまで歌ってしまうというスーパーボーカリスト面目躍如の活躍ぶりです。

tonton
(中華ダイニング店でモダン・グループをバックに歌うTONTON)

 新潟にも女性ボーカリストは多数いますが、ほとんどがモダン系、ましてデキシーからスウィング、モダンまで歌ってしまうのは、新潟広しと言えども彼女一人です。
 最近モダン系でも人気上昇中で、市内のレストランやライブハウスでコンボを組み出演していますし、本来?のデキシー系では市内だけではなく、三条、長岡、岩室まで声がかかり、まさに東奔西走の活躍ぶりです。(よけいなお世話ですが、肝心の主婦業のほうはどうなっているのか心配です)
 彼女の魅力はなんていってもそのリズム感と音域の広い声量、ネイテブに近い発音です。(誉めすぎかな) また最近はゴスペルにも磨きがかかり黒人のスピチアルを髣髴させる雰囲気を感じさせます。
 もしご関心のある方は一度新潟にお越しいただき、新潟のうまい酒と魚をつまみに、トントンのボーカルに耳を傾けてみたらいかがでしょうか。

 リバーサイドジャズバンドの紹介

 リーダーは言わずと知れたトントンのご主人でもある風間晶世氏(新潟のジョージルイス)です。河合良一氏の弟子を自称するだけあって、フレーズの取り方や演奏スタイルも似てきた気がします。
 トロンボーンの廣瀬達男氏は現役の歯医者さんでバンドの音楽プロデユーサー、半世紀前にドクターデキシーセインツを立ち上げた初代リーダーとしても有名で、その演奏スタイルはいまだ若々しく、ジャックティーガーデンを髣髴させるものがあります。
 また長らくトランペットが欠員になっており、フロントがなんとなくさびしかったのですが、昨年始めに早稲田ニューオリOBの木下君が新潟転勤を機に参加してくれたため三管が絡み合いながらのコード進行というニューオーリンズスタイルの素晴らしさが倍化しました。

リバーサイド
(リバーサイドジャズバンド25周年記念ライブ)

 バックもそれぞれ個性のある素晴らし−プレーヤーばかりで、昼間の仕事も忙しい人達です。
 ちなみに星野氏(Bj)は新潟大学教授、宮尾氏(Ds)は病院長、山田氏(B)は会社経営者、紅一点の塩津嬢(P)はOLといった顔ぶれで、そこにトントンが加わったのですから、新潟の田舎のバンドと馬鹿にするなかれ、百聞一見にしかずです。

 お店“パルティア”の紹介

 新潟一の繁華街、古町の中心にあり、毎日ライブ演奏をやっている新潟でも珍しいお店です。月一回のリバーサイドジャズバンド以外はほとんどモダン系(一部スウィング系)でママさんはモダン(というよりもフリーやフュ−ジョン)のファンですが、最近はお客につられて、ニューオーリンズジャズにも開眼したようです。

パルティア
(パルティアで歌うTONTON)

 ちなみに、ママさんは書道の大家で新潟の県展では常連、文部大臣賞も受賞しています。写真バックの「書」はパルテアが現在の場所に移転したときお師匠さんから贈られたものだそうです。
 30人も入ると超満員の広さですが、家族的雰囲気とリーズナブルの価格(ちなみにセット料金2000円でミュージックチャージ500−1000円)で新潟のジャズファンの憩いの場所になっています。
 また、たまにプロのミュージシャンを呼んでのライブもやっており、来新の節は是非お勧めです。

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