2022年11月13日(日)午後、梅田のニューサントリー5で「高井洋治さんを偲ぶ会」(別称「HIROHARU追悼ライブ」)が開催された。
はて、高井洋治さんとは? ましてHIROHARUさんと聞いてもわからないかもしれない。
ピアノの上に飾られた写真を見れば、ODJCの方はすぐお判りになるはず。
ニューサンやコンサート会場によく出現した
うわばみさんである。
ちなみに右側の写真は1歳の時、近所の女の子3人と撮ったもの(後述するが大きな意味を持つ)。
ウワバミさんは、ODJCの古くからのメンバーであり、このホームページの管理人だった。
本HPは2004年3月に開設、それ以来18年に渡って管理人を務められた。
体調を崩されたということで、5年ほど前からライブ会場に来られることがなくなったが、HPの運営は続けられていた。
昨秋亡くなられた。
独居生活だったこともあり、さらにコロナ禍もあって、追悼の機会がないまま1年経過してしまったが、ご遺族からの連絡もあり、今回の追悼ライブが実現した
■ 黙祷 献杯
司会はクリスさん。
まず全員で黙祷。
続いてODJC会長・住友さんの挨拶。
「(会場の一角を指して)いつもあのへんにトグロ巻いてて、あまりしゃべらん男やったけど、しゃべると鋭いことをいう男だったなあ」(大意)
そして「献杯!」
続いて私(堀)が「友人代表」として指名されて慌てた。
そこで、学校の後輩として親しくさせていただいたので、後輩として、後輩らしからぬ挨拶を。
クリスから「なぜウワバミだったんですか?」と振られて、こう説明した。
――ウワバミは大酒飲みの意味ですが、バミさんは特に酒豪ではなかった。むしろ生態(生き方)がウワバミと似ていたからではないか。
ちょうど今の季節に「穴惑い」という季語がある。ウワバミ(などニョロ系)がどの穴に入るか迷って冬眠しそびれる意味で、これを人間の男に置き換えると、どの女にするか迷っているうちに婚期を逸してしまう……ということになる。ウワバミはんがそれ(独身)で、案外、若い頃は結構もてたのではないか……そんなことを本人に訊いたら、「もう昔のことだから…」と遠い目になった。
1歳の時に3人の女性に囲まれている写真を見て、原点はここにあったのかと思ったのであった。
などと不肖の後輩の話はこの辺にして、追悼ライブに移る。
■ 神崎雄太 ショパン
知らなかったが、ウワバミはんはクラシックも好きだったそうである。
そこで最初は古くからのODJC会員のご子息でピアニストの神崎雄太氏の演奏から。
ショパンのノクターンやプレリュードなど数曲。
いつものニューサンの雰囲気とはまるでちがう。
数十人、神妙に聴き入る。
なかなかいい雰囲気であった。
■ ニューオリンズ・レッドビーンズ
ウワバミの冬眠から覚めて、いよいよ追悼のトラッド・ジャズ開始である。
最初はニューオリンズ・レッドビーンズ。
本日は追悼ライブということで、主に讃美歌やゴスペルから選曲。
1曲、森ママがヴォーカルで入って「いつくしみ深き」(What A Friend We Have in Jesus)を唄う。いつもながらの名唱。
■ ニューオリンズ・フォーティーズ
つづいてフォーティーズ登場。
ここではピアノの竹川さんが1曲ヴォーカル「Amazing Grace」……泣かせるねえ。
ウワバミ、もうすこしここにおれよ……「Just A Little While to Stay Here」も心に染み入る。
■ マホガニーホール・ストンパーズ
ストンパーズ登場。
ここにも樋口俊哉(Bs)というヴォーカルの名手がいて、何曲かヴォーカル入れての名演。
「In The Garden」や「Old Rugged Cross」が泣かせる。
■ セッション
最後は出演バンドが勢ぞろいしてのセッション。
ニューオリンズの葬送スタイルで「Just A Closer Walk With Me」を、最初はスローで、あとはアップテンポで賑やかに演奏してクロージングとなった。
最後にご遺族(うわばみさんの妹まなさん)から挨拶があった。
独居生活が長く、人づきあいも不器用な人だった。
遺品を整理した後で、届いた会報からODJCの会員であることがわかり、連絡をとらせていただいた。
ジャズの関係でこんなに親しい方々がいたとは知らなかった。
こちらからもお願いして追悼ライブを行っていただくかたちになったが、ありがたく思う……
2時間ほどの追悼ライブだったが、ひさしぶりのODJCの集まりであり、いい雰囲気でウワバミさんを送れてなりよりであった。
※なお、本HPの管理は今年から私(堀)が引き継いだかたちになっている。
ページのソースを調べて驚いた。htmlで見ると、オモテに出ないかたちで、細かく「注意事項」が記載されている。
トピックスはここに数行とか、更新日時の表記とか。
だから、引き継いだ後の更新で、迷うところは何もなかった。
これはウワバミさんが、体調が悪化してから、何かの場合に支障なく引き継げるよう考えられての作業だと思う。
心遣いの細やかな方だった。その遺志を継いで、続けていきたいと思う。
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