BOURBON STREET

Step 24    第40回全日本ディキシーランド・ジャズ・フェスティバル追走記

堀 晃 (ODJC会員)

 2006年7月30日 11:00〜18:00
 舞子ヴィラ

 第40回全日本ディキシーランド・ジャズ・フェスティバル。
 長雨が続き、梅雨明けしたらしいものの天候不順、どうなるかと心配だったのが、明石海峡、昼前には晴れてきて、夏のジャズフェスにふさわしい天気になった。

maiko

 午前11時、末廣光夫さんが開会宣言。

suehiro

 今年は去年より出演バンドが減った分、演奏時間を増やし、しかも各ステージ、ゲスト・プレイヤーや他のバンドメンバーとのセッションがあるという趣向。
 新たな刺激を、ということらしい。
 ……ということで、今年のゲスト。

anthony geoff

 シドニーから来た若手ドラマーのアンソニーさん。そしておなじみのジェフ・ブルさん。そしてピアノの後藤千香さん。
 東京からはディキシー・キャッスルが来ているが、このバンドはレギュラー。
 しかし、今回の特別ゲストといえば、何といってもクラリネットの後藤雅広さんだろう。
 レポーター(堀)はともかくジャズ・クラリネツトが好きである。
 これは末廣光夫さんの影響といっていい。神戸放送の「電話リクエスト」で育ったから、たとえばこの季節、「アイスクリーム」がよくかかり、律儀に、ジョージ・ルイスとクリス・バーバーが交互に放送された。結果として、ジョージ・ルイス、モンティ・サンシャイン、ともに好きになった。
 ディキシー系のバンドのクラリネット・フィーチャー曲が特に好きなのは、このころからだろう。
 後藤雅広さんは、ディキシー・セインツで活躍してきた方で、名盤ともいえる「Creamy!」(ここで紹介してます)で感嘆したクラ吹きなのである。
 ということで、以下、きわめて個人的レポートになります。
 昨年のディキシー・フェスでは「全バンドを聴く」ということをやったために、あまり落ち着きのないレポートになりました。
 今回は「後藤さん追っかけレポート」ということでご容赦下さい。

 トップバッターはマホガニーホール・ストンパーズ。
 威勢のいい演奏がつづいたところで、ドラムがゲストのアンソニーさんと交替。
 ……ええっと、曲目失念。
 ビール片手にウロウロしていたので、いい演奏だったという記憶しかない。
 以下、各ステージ、40分の演奏中、最後の3、4曲(15分くらい)が色々なゲスト参加のセッションだった。
 つづいて、ロイヤルフラッシュ・ジャズバンドのステージ。
 ここで後藤雅広さん登場。

royalflush

 後藤雅広、吉川裕之、渡辺朗さんの3クラが聴けた。
 同じ会場で、つづいて登場したのが花岡詠二とグッドマン・ボーイス。
 正統派ニューオリンズからスイングに変わる。
 ここでも後半に後藤さん登場。

hanaoka

 マッシー池田の影響でやや二日酔い?の花岡詠二さんとの2クラ・セッション。
 後藤さんの、ニューオリンズのにおいを残すスイングがいい。
 この次……ランチタイムで、ロビーでビールを飲んでいる時に聞こえてきたのだが、ヨー・キムラ・トリオにも飛び入り?
 確か「キャラバン」が聞こえてきたのだが……。
 その後、ニューオリズ・ラスカルズのステージを聴いたので、後藤さんのゲスト参加は未確認。

kikyo

 キャッスル・ジャズバンドに参加。
 桔梗亮三さんとの2クラが聴けた。
 すごい活躍である。
 そして自分のステージ。「デュオ+青木研」。

gotoh

 後藤雅広(cl)後藤千香(p)青木研(bj)のトリオによる演奏。
 これぞディキシー系バンドのクラ・フィーチャーの神髄。
 千香さんのラグタイム・ピアノも素晴らしい。
 神戸放送の電リク以来の懐かしさに満ちた演奏だった。

 最後は庭園の教会、ニューオリンズ・ラスカルズによる「夕べの祈り」。

charch

 海に面した教会で、賛美歌中心の演奏。
 船が行き交い、夕暮れに近い時間で、海の色が刻々と変わっていく。

2cl

 ここで、待ちに待ったといってもいい、河合良一さんと後藤雅広さんの2クラによる「In The Upper Garden」……第40回ディキシー・フェスの最終ステージにふさわしい名演だった。

 ともかく、ぼくが聴いただけで5ステージ、他にもあったはず。
 正統派ニューオリンズ・スタイルからスイング、モダンな曲までを堪能。
 後藤雅広さん、スペシャル・ゲストにふさわしい大活躍だった。

gotoh

 夕暮れ近い教会をバックに後藤雅広・千香ご夫妻。
 今度は神戸ジャズ・ストリートにも参加されるらしい。
 関西のトラディショナル・ジャズ・ファンにとっては、また楽しみが増えたわけである。

 ……と、今回、個人的追っかけレポートになりました。
 他にも聴きたいステージがたくさんあったのですが(そして、グローリーランドやディキシー・ブレンド、マグノリアなども少しずつ聴いたのですが)、クラリネット中心の追っかけレポートとなりました。ご容赦を。

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