今高英一 小野洋 藤本伸誉 堀晃
10月9日(日)
【12時〜】
ロイヤルフラッシュ・ジャズバント
「ファッツ・ワーラーの作品はご機嫌です!」
小野洋は「CROSS」へ向かう。
去年が生誕百年だったか、懐かしいワーラーのヒット曲中心に演奏。
ロイヤルフラッシュはやかり「最も神戸っぽい」味わいがある。
(ono)
渡辺朗さん(cl)のヴォーカルが大人気である。
ニューオリンズ・ラスカルズ
今高英一と藤本伸誉は「春志音」へ駆けつける。FM-YYの黒木さんもいっしょ。ここも狭い会場で早めに最前列の席を確保……おかげで写真撮影には近すぎ。(今高は)FM-YYで『河合良一特集』の選曲を担当したこともあって、今回、ラスカルズは全て漏らさず聴く方針である)
会場満員、すごい熱気で、ラスカルズ・ファン層の厚さにあらためてびっくりする。
NO・グローリーランド・ジャズバンド
堀晃は坂道を下ってNHKの「トアステ」へ。
ODJCの実力バンド登場。
ここはオープン会場で、「セントルイス・ブルース」から始まって「私の青空」など、ポピュラーにナンバー中心に演奏。デキシーファンが増えて欲しいもの。
細川綾子
「ベテラン歌手健在!」
堀は次の会場に向かう途中で神戸女子大教育センターに立ち寄って、細川綾子さんのヴォーカルを数曲。
秋満義孝、花岡詠二、橋本裕といったスイングでは最高のメンバーをバックに「テネシー・ワルツ」や「マック・ザ・ナイフ」……最後に花岡さんの「鈴懸の径」のサービスまで。
【13時〜】
野良青年団
「日本VSオランダで綴るS・ベッシェの遺産」
関西でも人気急上昇の野良青年団の登場。都合で2日目だけの出演である。
ラスカルズとともに大ファンである今高は春志音から異人館通を西に歩いて神戸外国倶楽部へ、黒木さんといっしょに移動。
FM-YYのジャズ番組DJの黒木さんにベッシェの凄さを知らせるのも目的のひとつ。
(imataka)
年々腕をあげていて、バンドカラー、アンサンブル、ソロのうまさなど、すでにベッシェの世界を越えているのではないか。
途中からオランダの「エーセス・オブ・シンコペーション」が参加。
エーセスのロバート・ビーンさんと野良の北中たけお青年のソプラノ合戦をはじめ、聴かせる・見せる・楽しませるセッションで、これこそ居合わせた人だけの特権。
エーセスのサービス精神には学ぶべきところが多い。
ディキシー・ブレンド
小野はNHK「トアステ」へ。
本日も地元・岡山からのバンドを応援に行く。
(ono)
音響よく、オープン会場だが客層もよく、心なしかいつもより張り切ったサウンドに思える。ジャズには会場の雰囲気がストレートに反映するようだ。
ニューオリンズ・レッドビーンズ
堀はインドクラブへ移動。
目当てのひとつ、レッドビーンズである。
クラの風間さんが帰ってくるのは大きなイベントの時だけ。
アンサンブルがよく、「ダイナ」や「ラブミー・テンダー」など、なかなか楽しませてくれる。
森朋子
そしてTONTON・森朋子さん登場。
「セントルイス・ブルース」や「古い十字架」など。
情感豊かで、もうベテランの雰囲気だなあ。
最後は「クラリネット・マーマレード」
【14時〜】
シンシア・セイヤー+エコーズ・オブ・スイング
今高と藤本はラスカルズ全ステージ制覇のつもりでバプチスト教会へ行ったが、すでに超満員。近くの神戸電子専門学校・ソニック・ホールに移動したのであるが……
セイヤー(bj)とドイツからのグループ「エコーズ・オブ・スイング」の組み合わせは2日間でこのステージのみ。
懐かしい1920〜30年代の魅力を伝える演奏。パフォーマンスも見事で、広い会場が大いに湧く。
最後のエリントンのジャングル・スタイルの曲が大受けで、アンコール要求の拍手が鳴りやまず、長い曲2曲アンコール。
理屈抜きの楽しさ、素人にも楽しめるジョイントの面白さを味あわせてくれて、今高は大満足だったが……ローレンス・マレロの奏法を期待していた藤本はやや食い足りない気分であったとか。
次に控えていたマホガニーホール・ストンパーズ、演奏時間は確保できたのかな。
清水万紀夫
「ホーギー・カーマイケルの名曲で綴る」
堀は「Basin Street」へ行く。
ジャズ・クラリネット好きの堀としては、清水万紀夫さんは目当てのひとり。ともかく滅多に聴けないからなあ。
小さい会場だが、うまく、クラリネットから1.5メートルほどの席に座れた。うれしくなり生ビールを2杯。
店に敬意を表して店名ブルースからはじまり、ニューオリンズ、「ゆかりの曲」ということで、インディアナやジョージア・オン・マイ・マインドなど。橋本裕カルテットとの共演は初めてというが、まるで昔からの清水万紀夫クインテットの雰囲気。
最後はむろん「スターダスト」
もう、見事にうまいというか、もっとライブで聴かせてほしいクラリネットだ。こうした編成でのリーダーアルバムはないのだろうか。クラリネットでのリーター・ステージを聴いたのは、1999年の阿佐ヶ谷ジャズストリート以来、なんと6年ぶり。もっとライブハウスに出演してほしい。遠方でも聴きに行きますよ。
花岡詠二 小粋なディキシー風
堀が清水万紀夫さんのスイング・クラを楽しんでいる時間、小野は北野工房で花岡詠二さんのディキシー・クラリネットを堪能……。
「小粋なディキシー風」というが、なんとも豪華なメンバーのステージである。
(ono)
花岡詠二(cl)をリーダーに、サイモン・ストリブリング(tp)、原田靖(tb)、フェラリオ(cl)、バックがテクグラー(ds)カルテットという国際的編成。
小気味のいいハッピーなステージで、いかにも神戸ジャズストリートらしい雰囲気である。
……ということで、神戸JSもいよいよ大詰めである。
(つづく)