BOURBON STREET

Step 8    第39回全日本ディキシーランド・ジャズ・フェスティバル繁盛記(2)

堀 晃 (ODJC会員)

 全日本ディキシーランド・ジャズ・フェスティバル……午後も実力派バンドが続々登場。

7 ディキシーランド・ハートウォーマーズ
 これも関西の名門バンド。

ハートウォーマーズ

 メンバーがロイヤルフラッシュ・ジャズバンドとだいぶ重なっているが、なんといっても平生舜一氏の遺志を継いで、毎年出演するというところに大きな意味がある。
 伝統の継承は大事である。
 コルネットの池田公信さんも参加。
 ハートウォーマーズと聞くだけでディキシーのジャズ・フェスという気分になるところがいい。

8 野良青年団
 平生舜一氏の遺志を受け継ぐジャズ・プレイヤーの育成するために制定された「平生舜一賞」……その第1回受賞者は北中たけおさん。
 北中青年をリーダーとする野良青年団も、ここ数年、関西でもすっかり人気バンドになった。

野良青年団 北中たけお

 トロンボーンの久保さんが来てないのがちょっと寂しい。
 北中さんはブレダでも大好評だったらしい。
 ベッシェ・スタイルはヨーロッパの方にファンが多いのだろうな。
 50年代以降の、今まで披露されなかったベッシェの曲も数曲登場。
 バンドとしてもますます脂がのってきた感じだ。

9 ハイタイム・ローラーズ
 引き続き東京から参加の人気バンド・ハイタイム・ローラーズが登場。
 小川理子さんの参加でますますパワーアップしている。

ハイタイム タイロン

 むろん演奏は素晴らしいが、何よりも「絵になる」ことでは今回出演のバンドでトップだろう。
 写真でおわかりの通り。
 これはわが独断ではなく、たとえば「浅草HUBのライブ・スケジュール」のタイトル写真としても使われていることでもわかる。
 タイロンさん恐るべし。

10 ディキシー・プリンセス
 このフェスでも、神戸ジャズストリートでも、いちばんの「華」はこのバンド。

プリンセス

 今回からドラムに「ぼっこちゃん」(星新一か?)が参加、5人編成になった。
 音に厚みが出て、その容貌に人気と実力がますます追いついていく感じだ。
 クラやピアノも増えて、トラディショナル・ジャズのモーニング娘。となるか。

11 ニューオリンズ・ラスカルズ
 人気実力ともに随一のラスカルズ登場。

ラスカルズ

 夕刻に教会でVespers「夕べの祈り」があるのだが、今年は教会の方は特に賛美歌にこだわらないからと、こちらのステージでも賛美歌を含めた演奏。
 最後は人気曲かつ夏にふさわしい「アイスクリーム」で会場を湧かせた。

12 ニューオリンズ・ノウティーズ
 東京から参加のニューオリンズ・ノウティーズは結成40年を超える老舗バンドである。

ノウティーズ

 こちらも最後は「ティペラリー」で大いに盛り上がる。
 東西の老舗実力バンドの激突という雰囲気で、ジャズ・フェスらしい熱気だ。

13 マグノリア・ナチュラル・フレイバーズ
 タミー&山下義則さんのヴォーカルを中心とするMagnolia Natural Flavorsが登場。

マグノリア タミー

 雰囲気は一変、生ビールをカクテルに切り替えたくなるようなムードとなる。
 ゲストのテナーは栃木から参加されたそうだが、なんだか浅田次郎さんに似ている。
 あ、むろん、歌伴は抜群にうまい。
 最後はおなじみ「テネシー・ワルツ」である。

 (つづく)

目次へ    Topページへ