5月27日から6月5日まで主人、風間晶世とシドニーに行って来ました。
私は今回で3回目ですが、主人はオーストラリアは初めてでした。
シドニーでは、皆さんよくご存じのジェフ(Geoff Bull、トランペット)と奥さんのリンダに大変お世話になり、「滞在も是非うちで!」と勧められ、結局最後までジェフ宅に滞在し、朝から晩まで毎日ジャズ三昧でした。
朝は、庭でフルーツの朝食にBGMはもちろんジャズ。ちなみにオーストラリアのフルーツは見た目が異様で気味が悪いのですが、実は甘くて凄くおいしいものが沢山あるのです。もちろん、そのほとんどが日本では見られない物で、お酒を飲まない甘い物好きの私は毎朝のフルーツにはまっていました。特にカスタードアップルは最高でした。そして、夜はジェフの手料理です。彼は以前自分で「スイート・エマ」というレストランを経営し、シェフをやっていたせいか、その腕はたいした物で、メキシコ料理、インド料理、中華料理、イタリア料理・・・等など、まさにプロのお料理を食べさせてくれました。
夕食の後は、お酒を飲みながら毎晩ジョージ・ルイスやサッチモ、エラ・フィッツジェラルド、アルバータ・ハンター、ベッシー・スミス・・・と言った素晴らしいミュージシャン達のビデオを見て夜中まで過ごしました。
着いた日の夜はちょうど金曜日でジェフのライブの日でした。ジェフは毎週金曜の夜9時から、ユニティーホールホテルでライブをしています。その日の構成は、トリオにバンジョー、サックス、バイオリン、そしてトランペットはジェフ、おまけにクラリネットは主人といった豪華?メンバーで、ニューオリンズというより、スイングジャズに近いデキシーと言った感じでした。私も途中2曲ほど歌わせて頂きましたが、そりゃあ、もう気持ちのいいの何のって!主人とも話していたのですが、リズムがしっかりしていて、とても自然なジャージーな乗り、演奏する側もそれを聞くお客さん達も笑顔で楽しそうで、「ああこれが音楽だなあ」と海外へ行くといつも実感します。
何と、その日は大槻さんと、そのライブで会う事が出来ました。大槻武さんは「オーストラリア大好き」人間で、KANGAROO POSTというミニコミ誌を発行されているほどの方です。彼は私達より先にオーストラリアに来てらして、本当は入れ違いで帰るところだったのですが、「せっかくだから」と延長して、来てくれたのです。その日は夜中の12時半頃まで3ステージの演奏があり、お店を出たのは2時頃でした。
翌日の土曜日はジェフの単発のGIGで、郊外のコミュニティーホールでの昼下がりのライブでした。その日は、ピアノ、ドラム、サックス、トランペット、そしてクラリネットという構成で、何とベースレスでの演奏でした。やはり、リズムがしっかりしていて、ベースレスであることを感じさせないくらいの素晴らしい演奏でした。サックスのポール・ファーニスはクラリネットも吹くのですが、それが又、優しい品のある音色で、彼のBassクラと、主人との2クラリネットでBURGUNDY ST. BLUESを演奏したりして、堪能させてくれました。リンダもBassクラの音色の美しさに感動していました。主人もしっかりしたバンドで素晴らしいメンバーにリードされ、楽しそうに演奏していましたよ。
そして、わたしもその日はTENNESSEE WALTZとIT’S A SIN TO TELL A LIE等を歌ったのですが、お客さんがご老人ばかりで、皆楽しそうにダンスをし、私もとても穏やかな気持ちで歌わせて頂きました。
それにしてもご老人たちのダンスのうまいこと!80才代くらいの老夫婦が腕を組んで、きちっと間違いなくステップを踏み踊る姿には本当可愛いやら素敵やら、感動ものです。歌い終わると、おばあさんたちが「今日は懐かしい曲を聞かせてくれて本当にありがとう!とても楽しかったわ」と次々に握手しに来てくれました。私の方が「ありがとう!」と言いたいくらいなのに・・・・。
あるおばあさんなんて「普段は入院していて、週末だけ解放されるから、今日はここに来たの。本当に楽しかったわ!明後日から又病院よ」とおっしゃられ、病院から解放されるわずかの時間に、私の歌でこんなに喜んで楽しんでもらい、私の方が涙が出る程嬉しかったです。「こうして演奏したり歌ったりすることは、人に夢を与える事なんだなあ・・」とあらためて実感しました。
ほとんどのステージの前には、ダンスフロアがあり、演奏が始まると多くの人がダンスをするところが何とも演奏している方も気持ちのいいものです。
いつも海外に行って感じる事は、演奏する側も聞く側も、心から音楽を楽しんでいるということ。そして、私達はこれからも人に夢を与える事が出来るような歌や演奏が出来たらなあ・・・・と思っています。