今高英一 小野洋 藤本伸誉 堀晃 毎年、おなじみブルックス・テグラーの「酒樽ドラム」……これ藤田洋と白石啓太両氏が対抗するドラム合戦……神戸JSには欠かせない花岡詠二さんのクラが加わって演奏開始。
前夜祭では、海外からのゲストと、秋満義孝、北村英治、五十嵐要、花岡詠二といった東京からのアーティストが中心。
キングストン・トリオなどを得意とするフォークグループで、このへんが神戸JSの懐の深さであろう。
ともかく前夜祭は大人の大ジャズ・パーティである。
募金すると写真のようなワッペンを貼ってもらえる。ルイジアナ州の州花マグノリアがデザインされている。さっそく募金。
今年は神戸市消防音楽隊がパレードの「露払い」を務めるという豪華版。
ここでパレードが一時ストップ、パレード組とバンジョー隊との間で盛大なジャム・セッションが始まった。いい雰囲気だが、時間進行に厳しく、先に交差点を渡っている末廣さんはややイライラした気配。まあお祭りなんだから。
本部のあるクラヤ三星堂が近づいたあたりで「聖者の行進」になって、無事本部に到着、前の広場でひとしきり演奏があってパレード終了、11時30分。
いうまでもなく、神戸ジャズストリートはODJC会員にとっては秋の最大行事であり、全国的に見ても、最大規模のジャズ・イベントである。
何しろ2日間、17会場で5ステージの演奏が行われる。数えてみると、今年は全部で165ステージ。出演バント、グループは約60? 出演者は200人を越えるのかな? 実行委員会に訊けば出演者の総数はわかるだろうが、ステージ数やバンド数は最終的にはわからないのではないか。
ゲストを中心に色々なグループが組まれるから、一応リーダーは決まっているものの、一度だけの編成あり、さらにアフターアワー・セッションの実態など、現場で立ち会ったものにしかわからない。
どこでどんな演奏があったのか……その全体像は誰も知らない。実行委員長・末廣光夫さんにしても最後までわからないはずである。
ぼく(堀)は以前から、北野坂界隈をウロウロしながら、神戸ジャズストリートの全体を把握できないものかと考えていた。
せっかくホームページがあるのだから、参加した人たちが見聞を報告すれば、それは膨大なレポートになるが、全体像の輪郭は浮かび上がってくるのではないか。
そんな試みの第一歩として、今年はジャズ友3氏に声をかけて協力をお願いした。
今高英一、小野洋、藤本伸誉の3氏で、ともに長年のラスカルズ・ファン、毎年神戸で会うのを楽しみにしているメンバーである。
ということで、3氏からの報告や資料提供も受けて、レポートの文章はぼく(堀晃)がまとめているが、4視点からの神戸ジャズストリート報告を試みます。気長におつきあいください。(ジャズ友3氏については、以下敬称略)
10月7日(金) 前夜祭
最初に「全体像がわからない」と書いたものの、主要なゲストの演奏がまとめて聴けるのが前夜祭
いわば「顔見世」。
新神戸オリエンタルホテル「真珠の間」 19:00〜22:00
例年、小野が参加。
今年は「大盛況」……いつもだと隅の方にダンススペースがあるが、今年はぎっしり。
公式的には定員550人が、断り切れないところもあって、だいぶオーバーした模様。
今後もこの人気はつづきそうである。
実行委員長・末廣光夫さんの挨拶でスタート。
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今年は、ここに珍しくT.U.T.エキスキャリバースが参加。
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最後は、内外のゲスト総動員という雰囲気の「オール・ザ・キャッツ・ジョイン・イン」の演奏。全14人編成で、写真はその一部。
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10月8日(土) パレード
前夜から小雨が降っていて、パレードが心配である。パレードで始まらない神戸JSなんて……と10時半に三宮のスタート地点に行ってみると、末廣さんがいる。
「パレード、むろんやりますよ。雨は止みます」
雨はほとんど霧状になり、楽器を携えたプレイヤーが参集する頃に止んだ。たいした神通力である。
ジャズ大使が募金箱を持って立っている。
今年の神戸JSは、当然ながら「ニューオリンズのハリケーン被害救援募金活動」も行っている。
少し上、北野坂では神戸市消防音楽隊がタイガー・ラグやケアレス・ラブなどを演奏している。
定刻11時に音楽隊が行進を開始する。
少し遅れていよいよパレードがスタートする。
最初の曲は「Do You Know What It Means To Miss New Orleans」で、これは全世界のジャズ・ファン共通の気持ちである。
で、途中……MIDNIGHT SUNがあるあたり、通りの東側にバンジョー部隊が待ち受けている。これは毎年のパターン。
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北野坂の上の方、欅の並木が茂ったあたりの雰囲気がいちばんいい。
いよいよ神戸ジャズストリート、開幕である。
(つづく)